オロフレ峠にて

オロフレ峠 / 北海道壮瞥町







札幌に赴任して以来、ずうっとオロフレ峠の名前が耳の奥にあった。
きっと自分はここへ行くんだろうなと思いつつ、
なぜかここをパスして違う方面へ出かけていたし、
今日もさらに南へ足を延ばそうと考えていた。

でも、何故か今回は縁があった。

登別側から狭い山道を越え、トンネルを抜けた右にある展望駐車場。
除雪されて自分の背丈ほどの高さになった、雪の壁の向こうに絶景が見える。
そこによじ登ると、さらに壮大な景観が目の前に広がった。

陽が傾き雲間からこぼれる斜光線が山の斜面を射抜く。
おもわず感動の声をもらしてしまう。





流氷と知床連山

能取岬 / 北海道網走市





あの一際目立った山が羅臼岳でしょうか。


彩度とコントラストを上げて漸く見える写真になりましたが、
実際はここまでハッキリとは見えなかった。

今回の弾丸ツアーは、流氷の海の向こうに知床連山を見るのが目的だった。
フェイクと言えばそれまでだが、半減していた喜びもこの写真で感慨一入となった。



流氷と海別岳

能取岬 / 北海道網走市





300㎜望遠レンズを使って、能取岬から流氷の海越しに海別岳。

この日の日中は暖かかったのか、日没ぐらいまでスッキリ見えなかった。
日が没し始めるあたりから、対岸にメリハリのある山容が現れた。
器械的に深く刻まれたような谷が非常に印象的な山だった。

この岬から対岸の知床半島まで流氷がびっしりと詰まった海だ。
流氷を見るなら今が旬だろう。




氷塊から噴き出す波

三里浜キャンプ場 / 北海道湧別町








氷塊の隙間から突如噴き出した波しぶき。


氷塊や氷盤がぶつかり合い重なり合い、寒さもあって大きな塊になる。
朝日が昇ると、凍りついて静寂だったはずの氷盤が唸り声を上げる。
凍りついて一塊となっていた氷盤に亀裂が入る音だ。
その亀裂から突如波が噴き出した。
そして分裂した氷盤が波の力で更に小さな塊になっていく。

噴き出した波しぶきも瞬時に氷になるようだ。




風の足跡

三里浜キャンプ場 / 北海道湧別町






前日は荒れたらしい。


氷の風が海の向こうから吹いてきた。
積もっていた雪を吹き飛ばしながら。
風がつらく当たったところは地肌が出ている。
そして風の紋様が出来あがった。





流氷の塊

三里浜キャンプ場 / 北海道湧別町





比較するものがないので大きさが分からないが。

流氷が接岸すると、こんな塊が浜に打ち上げられてるわけだ。



三か月ぐらい前、ユーラシア大陸シベリア沿いのオホーツク海沿岸で結氷。
季節が進むにつれて海氷域を拡大しながら、海流に乗った塊が流氷となって、
サハリン辺りから流れてくるらしい。





氷のオホーツク海

三里浜キャンプ場 / 北海道湧別町







数日前に到着したばかりの流氷。

30年前に見たときはもっと塊が大きかったような気がしたが、
温暖化の影響もあり随分と小粒になったのだろう。


今回は土曜日が仕事だったこともあり、
日曜日深夜1時に札幌を出発して彼の地を目指す。
走行途中に雪に見舞われ、心が折れそうになるものの、
丸瀬布に5時前に到着し、サロマ湖のこの地に着いたのが7時前。

雪さえなければ、凍結路面さえなければ、もっと早く着いたはずだが。

まあ、無事にこの光景に出合えて満足だ。







流氷接岸

三里浜キャンプ場 / 北海道湧別町





2015年流氷の第一報。
サロマ湖にある三里浜キャンプ場付近にて。

この氷の原野が海原なんだからなぁと思うと、
自然の力が織り成す風景って神々しいと思う。