暴風雨からの贈り物

 

関見峠から斑尾山
2010年10月30日撮影




台風14号が太平洋を北上し、東京湾を掠めるかのように房総沖へ通過。
その影響で一日中雨、そして風が強かった。

そもそも、台風の影響が無いと思われた日本海側に来たのだが、意外に今回の台風の勢力範囲が広く、新潟県のこのあたりもすっぽり厚い雲に覆われていた。
まあ、よくある自分勝手な思いこみである。

紅葉を撮る為に笹ヶ峰へ行って見たが、日差しが無いので鮮やかさもイマイチ。
朝から降り続く雨と、時折吹き付ける風が痛いくらいに寒い。
見上げてみれば、頭上の山の頂には雪が降っているではないか。。。

仕方が無いので、午前中は車の中で読書と転寝で時間を過ごす。

とりあえず、雲の絶え間を探して赤倉から燕温泉へと抜けるこの峠に落ち着き、日没前の照り返しをひたすら待った。





遠望槍ヶ岳

雲海に浮かぶ槍ヶ岳連峰
2009年6月下旬





霧ヶ峰から槍ヶ岳を案外綺麗に拝むことが出来る。
この日は、日の出直後の時間帯に車山の肩から撮影した。
目の前に広がる雲海。
海の向こうに島のように見える日本アルプス。
撮影後、時間がたつにつれ、霞がかかって見えにくくなる。
6月の下旬といえば、梅雨真っ盛り。
その中休みに撮影したラッキーな写真。










朝の斜光線


赤倉から撮影
2009年9月下旬


画面左から右下にかけて、朝の斜光線が見えますか?
赤倉高原、名前は忘れてしまいましたが、スキー場辺りから撮影しました。
高原の朝の清々しさを感じていただけたらと思います。
画面の左に見えるのが斑尾山です。半分切れてますが。。。
雲海もなんとなく向こうに見えて、高度を感じます。






たなびく雲の絶え間より


2009年9月下旬
渋峠にて撮影



昨年のこのあたりの紅葉は早かった。
写真のデーターはシルバーウィークに撮影した記録が残っている。
名所の芳が平には雲が重く圧し掛かったまま動こうともしない。

年老いた両親を乗せてのドライブだったので、いつものペースで撮影が出来ない。
両親を宥めて暫く待っていると、北から吹き始めた、冷たい強風が山の背を駆け下る。
その直後、この緑の斜面を覆っていた雲が後退する。
僕の目の前にこの景色が広がった。

遠く白根山の山肌は、紅に染まり始めていた。



雲の墓標


渋峠から白根山方面
2009年9月下旬




ここはカメラマンの聖地かもしれない。
眼下には芳が平があり、紅葉の写真で目にすることが多いスポットだ。

この木は渋峠の駐車場付近にある。
強風が成せる業か、枝が面白く曲がっている。
背の高いほうは枝がない。
雲の中に墓標のように立っている姿が魅力的だった。

画面の右は白根山。
火口湖(カルデラ湖もしくはお釜)で有名な山岳だ。






北風の向こうに

笹川流れより佐渡島を望む 
2009年7月撮影



夏の日差しによって、海面から作り出された水蒸気が、煙幕のように島全体を覆いつくしている様に見えた。
この場所に立って、望遠レンズで佐渡島を狙う。
風に流れて、たなびくように海上の煙幕が動いている。
海開きの日とは言え、北風が強く感じられる夏の一日だった。

撮影した写真は不思議と淡白な色合いだったが、PCのソフトを使って彩度とコントラストを上げてみた。
データー処理により、水平線の中に消えかかっていた佐渡島のシルエットが浮かび上がる。

海と空が青々として、実際の目で見た風景に近くなった。




夕空へ

 
中仙道馬籠宿/岐阜県
2009年10月撮影



中仙道馬籠宿といえば、木曽路はすべて山の中・・・の入り口にあたる宿場である。
かみさんの実家が近くにあるので、この見晴らし台へは結構出かけた。

昼から夜へと流れゆく時間帯。
空が青から金色へと変わっていく。
その空を流れる雲があれば、ドラマチックな演出が期待できる。

吹く風と、形を変える雲、そして日没の弱い光線。
ロマンチックな気分を添えて。




天への道

杉津サービスエリア 
福井県/敦賀湾
北陸道杉津SAより
2009年3月撮影







こういう具合の光線写真は、思うように撮れない。
自然現象なので100%見れるものでもないのと、自分の技量の問題だ。

光線が天へと通じる道のようにも見えるし、その先に天国の門が見える気がするのは、信心の賜物かもしれない。

旧約聖書の創世記に天使の梯子の記述がある。
僕は幼い頃からこういった気象現象を見ると、創世記のヤコブの話や、見神とか示現啓示のことに思いが向く。

ありがたい事だ。









妙高の空を染めて

 
妙高山を望む
2009年10月撮影



妙高山は特異な形をしているので、何処からでもそれと分かる。

金沢に単身赴任をしていた頃、毎週月曜日にこの山容を見ては、頭の中に和太鼓の音が鳴り響いた。何故だか解らないが、不思議にドンドコドンドコ頭の中で鳴り続けるような錯覚を楽しんだ。
そんな経験は僕ぐらいないのか。。。
東京に帰ってきてから、この山の懐にある高原に時々出かけるようになった。

この写真は、長野県にあるカヤの平高原から下ってくる山道で撮影した。
ここだ、と言うビューポイントはない。
志賀高原に紅葉の写真を撮りに行ったはずが、生憎の天気に意気消沈しながら、山を下りる時にこの場所を発見した。待つこと1時間、いや2時間だったかもしれない。
神様がいい物を見せてくれると、僕にはそう聞こえたから待ち続けた。

そうやって、この夕焼けにめぐり合った。
なかなか出会うことは少ない。
神様の祝福を感じた、そんな風景写真なのである。




闇の中での葛藤

 
妙高高原・五八木より
2009年9月撮影


似たような写真だけど、再登場だと思ってね。

ところで、
日の出写真を撮る時は、まだ暗い時間に山道を車で駆け上ることが多い。
これでもか~!っと言う具合に、エンジンを吹かしながら駆け上る。
真っ暗で、車一台が通過できる細い道を、道にはみ出した木の枝を払いながら進むのである。
車の中ではガンガン音楽をならす。最大ボリュームに近い、もちろん車の外にも音が漏れる。
民家があれば、深夜の騒音に違いない。
なぜ、そうするのか・・・
怖いから。

『鬼哭』という言葉を知っているだろうか。
草木も眠る、丑三つ時。
谷間を登る途中で、小用を足しに車の外に出てみれば分かるかもしれない。
風が凪いで入る時、暴風の時は、そんな経験はない。
ある程度、強い風が吹いている時に、聞こえてくる。

背筋がぞくぞくする瞬間だ。
たまりかねて車に飛び乗り、アクセルべた踏みで、また駆け上る。

でも、そんな時こそ。
いい日の出を迎えることが出来る様な気がする。
風が強ければ雲が流れる。
そして、こんな写真が撮れるのである。








雲の中の夕焼け

 

2010年9月撮影
草津白根山への登り道から




目の前に見える山塊は、右が榛名山、左が赤城山。
この場所は、白根山を背にして草津温泉を眼下に見下ろす、絶景のスポットだ。
自分が立っている、この白根山の山塊を挟んで、長野県と群馬県の県境がある。

長野県側では日が沈みかけていて、その斜光線がこの雲に反射されて夕景を演出してくれる。
しかし、この日は生憎、長野県側は分厚い雲に覆われていた。
だから、夕焼けの風景は拝めなかったのである。

とは言え、こんな感じに夕景が美しく演出されていて、
暫し創造主の力に思いを寄せた。





躍動する雲を見つめて



妙高高原・五八木より
2009年9月



野尻湖を覆う雲と、その雲の上で躍動を始める雲。
日の出前の静かな雲上のステージにて。




静かな海


2009年7月撮影
笹川流れ/新潟県


ここの海はとにかく水がきれいだ。
東京に住む我々が知っている三浦半島、湘南の海岸とは雲泥の差だと思うのである。
臭いも違えば、水質もかなり違う。

でも、ゴミの散乱状況はこちらの方が最悪かもしれない。
至る所に隠れ家のような場所があり、其処此処にゴミが隠されている。
あからさまに見えるように置いてるゴミもあるのだが、残飯になるととにかく臭い。
最近の流行りか、海岸でのBBQらしき残り物があるのである。
この写真を撮った場所も、波打ち際にはスイカの皮や食料の容器、ビールの空き缶が放置されていた。

それでも、恋人たちは僕が撮っているこの場所でロマンチックな気分になっている。
岩の向こうに粟島が見える。
日が沈んで相当暗くなっていたが、デジタル一眼カメラの底力で夜でも明るく写してみた。