北岳夕照

 

観音平から
2010年11月3日撮影



この山は、日本では富士山に次いで2番目に高い山。
手前に雲がたなびいていれば高さを表現できたのかな。

撮影しながらカモシカの鳴き声を耳にした。
「奥山に もみじふみわけ なく鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき」とは、こんな気分なのか。
なぜか中学生のときに暗記した、百人一首の一首が頭の中に浮かんだ。
展望台は大体どこも吹曝しで、見晴らしが良い分、風通しも最高に良い。
この日も冷たい風が容赦なく吹き付けていた。
いつもは一人なのだが、人生の先輩が富士山を撮影している。

北岳にレンズを向けて撮影していると、右側斜面に夕日が反射している。
僕はすかさず数回シャッターを押す。

快晴の紺碧の空が紅く染まっていく。そして夕闇が迫り、夜へと移り行く。
そんな時間の中で北岳は僕らを見下ろしていた。






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