沼前岬と荒れる海

沼前岬 / 北海道積丹町






日本海が荒れる12月には積丹半島へ出かけようと考えていたところ、
折よく天皇誕生日の前日には、景気よく雪も降り始め日本海側は大荒れの様子となった。
仕事をしている札幌市内は晴れていても、手稲から小樽にかけては物凄い雪が降る。

その祝日に思いを遂げるため積丹半島に向かった。


案の定、半島は荒れ模様。
雪の路面に車のタイヤが滑るたびに心が折れる。
岬へと向かう峠道では前後不覚になる吹雪にも遭遇。

昼前に札幌市内を出発した筈が、もう夕暮れが迫っている。
この季節の北海道は15時半といえば夕焼けの時間だ。


這う這うの体で何とかたどり着き、
この場所に立つと、僕が思い描いてきた冬の景観があった。

轟音とともに岸壁に打ち寄せる強烈な波。
嵐吹く灰色の空。
その空の色と対照的な雪に縁取りされた岬の岩壁。
暗い波間に、時折エメラルドグリーンの波が光っていた。






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